つまらない研修を実施しないために研修担当者ができること。
どうもコージコーダイ(@kodai_chi_koji)です。
世の中にはそれはそれは多くの「研修嫌い」の人がいます。
私は研修の悪しきイメージを払拭するために情報発信をしたり、実際に講師をしたり、講師育成をしているんですが、そもそも研修嫌いが生まれる理由についてご存知でしょうか?
もし、「講師が悪い!」って責任を講師だけに押し付けるのであれば、あなたの所属する組織の研修はいつまでもつまらないままになるでしょう。
もちろん、講師が悪いという側面もあります。
しかし、講師と担当者は研修の実施に関して責任を共有しているんです。
ここでは研修嫌いが生まれる理由と対策について書きますので、ぜひ理解を深めた上でこれまでの研修のふりかえりや、今後研修を実施する際に参考にしてみてください。
目次
大人と子どもの学習は違う
大人と子どもの学習が違うということをご存知でしょうか?
これを理解していない研修担当者や、講師が子どもの学習理論で大人の学習(つまり研修)を企画していることが多いのが研修嫌いを加速しています。
>>>【生涯学習】大人と子どもの学びの違い【アンドラゴジー】
記事にジャンプするのがめんどくさいって人のために簡単に違いを一行で説明しますね。
子どもは指導者に全てが決められる依存的な学びを、大人は自分の経験の中から課題を持っているので、それを解消するための自己主導的な学びをします。
さて、どうでしょう?
あなたの組織の研修は参加者の自己主導的な学びになっていますか?
研修担当者や組織側の都合で、あるいは講師の資質能力などが原因で、学習者である研修参加者の本当に抱えている課題や学びたいことがないがしろにされていませんか?
研修担当者の想いと参加者の求めるものは違う
多くの場合、研修担当者も研修参加者も「考えていること」や「思い」は同じです。
よりよい仕事をしたいんです。
その中で解決したい課題があるってところまでは同じなんです。
ただし、立場が違えば見えていることが違う。
ぶつかっている壁が違う。
だから、求めている学びが違うんです。
ぜひ気づいて欲しいことがあります。
研修を企画し、講師を手配するのは研修担当者です。
ところが、実際に研修を受けるのは参加者なんです。
例えば、研修担当者が「職場の人間関係の希薄さ」が課題と認識してるとして、
研修に参加する人たちは「業務の効率化こそが急務」と認識していたらどうでしょう?
それがもし強制的に参加しないといけない研修ならどうでしょう?
参加した人たちは研修後に「なんでこんな忙しいのに人間関係を改善する研修なんかに時間を使わないといけないんだ」などと口々に文句をいいながら会場を後にすると思います。
もったいないですよね、どちらも同じ「思い」を持っているはずなのに。
解決の糸口はどこにあるのか?
一番簡単な解決方法は、研修テーマを「参加者(受講者)」に決めさせることです。
ただ、それだけでは解決しません。
その上で、受講者が決めたテーマを研修講師に伝えてください。
そして、さらに研修担当者として、(あるいは組織として)抱えている課題についても一緒に伝えてください。
依頼する講師がプロであればそれだけでほとんど解消します。
具体的な話として、先程の例をもう一度持ち出しますね。
研修担当者が「職場の人間関係の希薄さ」が課題と認識してるとして、
研修に参加する人たちは「業務の効率化こそが急務」と認識していたとします。
この場合、テーマとしては「業務の効率化について」の研修を依頼するんです。
そして、その際に実は「職場の人間関係が気になっている」と伝えるんです。
そしたら、相手がプロであるならいくつか提案をしてくると思います。
例えば、「業務の効率化についての研修をしますが、研修の進め方の中でチームビルディングなどを取り入れて人間関係の大切さに気づいたり、それを再構築するきっかけを作りましょうか?」といった具合にです。
まとめ
つまらない研修が量産される背景には参加者のニーズと研修内容のミスマッチがあります。
ただ、正直なところマニュアル的に対応しているようなしょうもない研修会社でなければここらへんのことも含めて依頼をしたときに確認をして個別最適化してくれると思います。
経験が豊富なプロの講師であれば実際に研修をしながら会場の空気感を察して、その場で研修内容を大きく変更するなどの機転をきかすこともできます。
つまり、冒頭で説明した「講師のせいにしてるだけじゃ解決しない」という話と矛盾するようですが、悪質な研修会社や講師が蔓延しているということも大きく原因になっているのは否定できない事実ではあります。
大手だから信頼できるというわけではない(むしろ大手の方がパッケージ化がすすんでいます)ので、研修を実施するときはしっかりとその真贋を見極める目をもちましょう。
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