社会課題解決型講演って何?
どうもコージコーダイ(@kodai_chi_koji)です。
しばしば「社会課題解決型講演」という言葉を使っていますが、そもそもそれは何?
って思っている人のためにこの記事では説明をします。
この名前は私が考えたものです。
しかし、同様の社会教育プログラムを提供している人は私だけではありません。
講演の種類自体に一般的な固有名詞がないので、整理するために便宜的に名付けたものです。
>>>【講師の選び方】研修担当者なら知っておきたい講演の3つの種類。
社会課題解決って言うと、非営利活動に特化したものように思われがちですが、公的機関のような公益性の高い組織だけでなく、各種企業のような営利を目的とする組織からも依頼を受けることが多いんですよね。
そこらへんの話も含めてこの記事の中で書いていきたいと思います。
目次
社会課題解決型講演とは何か
一言でいうと、社会課題の解決を目指すための講演です。
「講演するだけで社会課題は解決しない」
これは言うまでもないですよね。
だから、結局は人材育成を目的としたプログラムなんです。
じゃあどんな人材を育成するかというと、
「課題に気づき、主体的に解決行動ができる人材」を育成することを目的とします。
こう聞くと、ほとんどの講演って社会課題解決型講演じゃないの?
って思う人も少なくないと思います。
ところが、かなりの数の研修や講演を見てきましたが、題目として社会課題を扱っている研修や講演であっても、その多くは社会課題解決につながるものになっていないという実態がありました。
ここでは社会課題解決につながっているかどうかを見極めるいちばん大事なポイントをお伝えしますので、ぜひチェックしてみてください。
それは、具体的なアクションにつながる話になっているかどうかです。
アクションにつながらないものは社会課題を取り扱っていても社会課題解決型講演とは言えません。
アクションにつなげることができない講演家
⇒「解決した気分」にさせて終わります。
アクションにつなげることができる講演家
⇒「解決できそうな気分」にさせて終わります。
前者の講演家は意外と人気なんですよ。
ただし、語弊のある表現になってしまいますが、あまりモチベーションの高くない依頼主から特に人気が高いです。
理由は単純で気持ちがいいんですよね、話をきいてたら自分自身が課題解決現場にいるような気分にさせたり、何か実際に行動をしたかのような気分にしてくれます。
そして、なんなら聞いただけで社会がちょっとよくなったかのような錯覚までさせてくれます。
しかし、ちょっと考えると気づくんですが、それでは何も変わらないんです。
変わらないどころか、場合によってはマイナスになりかねません。
なぜなら、行動を抑制してしまう効果があるからです。
一方で、後者の講演家は目的意識のはっきりしている依頼主から好んで依頼される傾向にあります。
講演を通じて、聞き手のモチベーションがあがるので、参加したあとの行動変容に直接つながります。
なんかできそうな気がするって思ったら「やってみたくなる」のが人間の性ですよね。
研修が目指すべきところは参加した人に受講前後でいかにポジティブな変化を生むことができるかです。
そういう意味では「社会課題解決型講演」は最適解の一つであると言えます。
営利企業と社会課題解決の意外な関係性
社会課題解決型講演が企業などからも人気がある理由として、
- ESG投資の盛り上がりから、SDGsなどを無視できない状態になってきた
- 自分たちの組織そのものが多くの課題を抱えている
という大きく2つのものがあります。
ここではそれぞれについて解説します。
ESG投資とSDGs
ESG投資、つまり投資家たちが儲かるかっていう基準だけでなく、環境・社会・ガバナンスなどについてその企業がどのように考え取り組んでいるかといったことまで評価するようになったことで、企業活動自体に社会的価値が求められるようになってきたからです。
私自身は、本来どの企業もお金を稼ぐということは社会的価値をお金に交換していると考えています。
だから、企業による営利活動そのものが悪だとは少しも思っていません。
しかし、営利活動を展開していくにあたって、その歪とも言うべき社会に対するマイナスの効果があることもまた事実です。
だからこそ、これまでも多くの企業がCSR活動として、営利活動とは別のところで社会的な活動を展開してきましたが、時代は代わって企業活動そのものが社会的な価値を強くもとめられるようになりました。
もう少し噛み砕いて説明するなら、一方では社会に悪影響なことをして、他方では社会的価値を提供するようなスタイルには批判が集まるようになってきたんです。
この背景にはSDGsの達成という全世界的な目標が生まれたことがあります。
社会課題解決型講演が好まれる理由がここに見えてきますよね。
多くの企業は、そもそもどのような社会課題があり、具体的な解決行動としてどのようなものがあるのかといった、新しいビジネスを展開する上での糸口を得たいんです。
組織が抱える課題
働き方改革なんて言葉がトレンドになっていることからも分かるように、企業は様々な課題を抱えています。
社会という言葉から世界や国、地域、みたいなものをイメージしがちですが、実際はそうじゃないですよね。
たとえば、学校だって社会ですし、会社だって社会です。
そう考えてみると、社会課題を解決するっていうスキームは、例えば一つの会社が抱えている課題をどのようにして解決するかというものにも流用できるものなんです。
ここで、「社会課題解決型講演が何か」を思い出してください。
参加者自信が主体的に課題解決をできる、その行動をする人材に育てるというものでした。
組織の中の問題を組織として解消しようとすればトップダウンで強行的に行うことになりがちです。
一方で、社会課題解決型講演を通じて、従業員ひとりひとりの課題解決能力を高めると、内部的に解消を目指すことができるんです。
社会課題解決型講演が好まれる理由が見えてきましたよね。
人材を育成し、組織の自浄作用を高めて内部的に解決するということは実は長期的に見ると非常にコストパフォーマンスが高いんですよ。
まとめ
社会課題解決型講演のイメージはつかめましたか?
「解決した気分にさせるのではなく、解決できそうな気分にさせる、そして実際に解決行動を起こさせる」
というのがポイントです。
今度、研修を実施するときや参加するときにはぜひ、この視点で研修が課題解決型になっているかどうかをチェックしてみてくださいね。
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