マウントを取りたがる参加者がいたらどうしたらいいの?【よくある質問】

 
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上の名前がコージ、下の名前がコーダイです。 兵庫県生まれ、福岡市在住。2児の父。 人の意識を変え、国際協力の必要のない持続可能な社会にすることが目標です。
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どうもコージコーダイ(@kodai_chi_koji)です。

ここ最近、自分が研修講師をするだけでなく、研修や講演をする人を育てるための研修をさせていただく機会が増えてきました。

研修の中で何度も聞かれるような質問については今後はアーカイブ的に記事にしていきます。

ということで、研修や講演をしている人なら一度は必ず遭遇したことがあると思います「マウントを取りたがる参加者」について、その対応策を紹介します。

 

目次

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マウントを取りたがる参加者とは?

 

進行を妨げて、あるいは質疑の時間などに「あなたの言ってることは間違っている」とか「私はこう考える」などということを言ってくる人がいます。

その中でも、自分の答えが頭の中にあり、変えるつもりのない人のことを「マウントを取りたがる参加者」と表現しています。

 

講演か研修かで対応の違いがあります

 

対処方法が講演の場合と研修の場合で大きく違うので分けて書きたいと思います。

 

講演の場合

講演の場であるなら、基本的にあなたはプレゼンターとして、会場に立っているはずです。

プレゼンターには一定の権威性が必要です。

権威性が失われてしまうと聞き手はあなたの話に耳を傾けてくれることはなくなります。

だから、権威性を失わない為の対処を心がけましょう。

一番大切なのは感情的にならないことです。

意見を聞いて、相手に正当性があるとしたらすぐに謝りましょう。

「なるほど、その視点はありませんでした。勉強になりましたありがとうございます」

仮に間違いがあって指摘をされたとしても、スマートに判断が下せて、全体にその間違いを認め、共有するあなたの姿を見て不快に感じる人はまずいません。

ただし、これは相手にあきらかに正当性がある場合のみです。

 

残念なことに「自分の正しさに酔った発言を押し付けている」というのが多くの場合にあてはまると思います。
※ただ、最初からこのレッテル貼りをすることは危険です。まずは上のような相手が正しいのでは?という視点で向き合うことが大切です。

もし、「思い込みによる発言」、あるいは「経験に紐付いた感情的な発言」だなと判断できたら、すぐに次のような回答をしてみてください。

「◯◯さんはそのように考えられるのですね。貴重な意見として記録させていただきますね。ただし、時間の都合もありますのでこの件について膨らませすぎると他の話ができなくなりますので、またぜひ後ほど詳しい話をお聞かせください。ありがとうございます」

そして、ホワイトボードなどの隅っこに小さくその人の発言をまとめて書き留めておきます。

視覚的に記録しておくことで、

  • 「自分の意見を受け止めてもらえた」という安心感を与えることができる
  • 「だれが発言したか」という属性から切り離して客観視することができる

という2つの効果があります。

 

もしこれでうまくいかない場合は、相手を動かすことを諦めましょう。

コントロールしやすい自分側の立場を明確にし、無用な議論を回避します。

「私はこういう視点でこのような発言をしました。だから、◯◯さんとそもそもの視点や立ち位置が違いますので、足元が違うまま議論をしても、そもそもどちらが正しいという結論を導けませんよね。だから、もし◯◯さんの立場や、別のテーマで話をしたら違う意見がでてきて、もしかしたら◯◯さんが言っているような話になるのかもしれないと思いました。興味深いお話をありがとうございます」

このように、否定表現をできる限り回避しつつ、なおかつ肯定もせずに話を終わらせます。

否定表現を使わないことで相手の感情を逆なですることもせずに、なおかつ肯定しないことで他の参加者をミスリードしない配慮ができます。

いずれにせよ、他の参加者をうんざりさせないためにも、必要以上に話を膨らませないことが大切です。

 

研修の場合

研修の場であるなら、基本的にあなたはファシリテーターとして、会場に立っているはずです。
※研修の中でプレゼンターとして何かを説明することもあると思います。その場合にトラブルがあった場合は上で解説したような対応をしましょう。

ファシリテーターには権威性はそこまで必要はないです。
むしろ、トラブルがあったときに上手に着地させることでファシリテーターとしての評価が上がり、参加者からの信頼度も高まります。

だから、ファシリテーターとして立っているのであれば、ファシリテーターとして問題を解決してみましょう。

会場の中でその意見に対してどのように捉えたらいいかを考えることができます。

次のように進行をします。(展開例ですので、普遍的な回答ではないです)

「なるほど、今このような意見がでてきましたが少し考えてみましょう。意見を出し合う時間は10分ぐらいにしたいと思います。時間がきたら途中だったとしても研修の本編に戻って進行します。〇〇さんの意見が正しいか正しくないかを明らかにすることが目的ではありません、ここでは◯◯さんの意見として捉えるのではなく、発言内容そのものについて少しみなさんで深めてみましょう。正しいか正しくないかではないです、多数決で決めるようなことでもありません、あくまで掘り下げて考えることが目的です」

時間の上限を決めること、ルールを設定することは忘れずにしましょう。

この際、注意してほしいのは、でてきた発言が的外れであればあるほど、他の参加者からの厳しい指摘が入り、発言主が意固地になってしまうことが予想されます。
だから、発言主から発言を切り離してやることがなによりも大切です。

発言した本人も含めて会場全体で一つの発言について掘り下げます。

そのためにも、ホワイトボードなどに発言内容を書き出してみましょう。
文字にすることで、発言がだれが言ったかよりも、その内容について客観視することができるようになります。

大抵は、客観的に意見をとりあげて話し合う過程で発言主自身が自分がどうしてその発言をしたのかの背景について気づき、訂正をしてきます。

もし、最後まで気づかなかったとしても、自分の意見が丁寧にとりあげられたこと、客観的に整理しなおされたことが発言主の溜飲を下げるのでスムーズに次に進むことができます。

あとからぶり返すようなことがあっても、ホワイトボードに話し合った内容についての記録が残っているため、

「その件については先程、時間をとって話しましたね」

と、さらりと流してしまいましょう。

 

基本的に正解を求める場ではない

 

いずれにせよ基本姿勢として持っておきたいことは、研修や講演は正解を求める場ではないし、ましてや参加者が自己主張をする場ではないということです。

参加者も実施者も、ついつい「正解」や「答え」を求めがちですが、これが正解ですみたいなものがあればそもそも研修や講演などで呼ばれることはありません。

だから、マウントをとりたがる参加者がもしいたとしても殊更それを必死で否定する必要も肯定する必要もありません。

過剰に反応せずに、うまく着地点を見つけ出し、参加者みんなが「最適解」や「納得解」を見つけ出せるような研修や講演をめざしましょう。

 

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