誰でも講師になれる!研修ができるまでの裏側を大公開

 
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上の名前がコージ、下の名前がコーダイです。 兵庫県生まれ、福岡市在住。2児の父。 人の意識を変え、国際協力の必要のない持続可能な社会にすることが目標です。
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本日、宗像市さんのご依頼で「宗像国際育成プログラム」の1コマを担当させていただきました。

「宗像国際環境100人会議」の関連行事として、実施されている地域の人材育成プログラムで、「対人コミュニケーション(対話)」についてのワークを交えた講演をしてほしいという依頼でした。

今回は、講演の内容そのものではなく、舞台裏であるその成立過程をご紹介したいと思います。講演や研修を受けることはあると思いますが、実施する側としてどのようにして講演内容を作り上げているかはマニアックな話なのでおそらく知っている人は少ないでしょう。

目次

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全体の流れ(内容の下書き)

今日の内容はざっくりというとこれです。毎回、このような下書きは作っています。

ちなみに、これで1時間半〜2時間半程度の分量です。

削れるだけ、削ろう

この分量、少ないと感じますか?多いと感じますか?

一つの研修で伝えることは一つが理想です。多くても二つ、三つにしたほうがいいです。でなければ何も残りません。

若干少ないかなと思うぐらいの分量にすると話しながら補足したり、質疑などで補完することができるのでオススメです。

正直、慣れないうちはこのような流れ図を作っていたらびっくりするぐらいぶくぶくと資料が太っていきます。下手すると2〜3枚のレポートのようなものが出来上がります。増やすのは簡単ですので、削るほうが難しいというのが実際に自分がファシリテーターをすると分かります。だから、削りましょう。削れる限り削りましょう。もう削れないなと思ったらそこからあと半分にするぐらいがちょうどいいと思いますよ。

さて、もう一度上の流れ図を見てください。

どこから作成するか

このような流れ図を作るとき、どこから作っていると思いますか?

 

頭から?

盛り上がる部分から?

 

いえ、答えはゴールからです。今回の流れ図の場合はここからです。

ゴールの設定方法

それでは、どのようにしてゴールを設定しているのでしょうか。

これは、「講演の依頼が来たらまず何をするか」という話と同じです。また、私が仕事の依頼をいただいた時に「受ける」か「受けないか」の選考プロセスでもあります。

依頼をもらったらまず最初に講演による受益者は誰かを考えます。多くの場合、これは依頼元と参加者です。

今回は依頼してきた担当者(市役所の職員)さん、実行委員会、そして参加者(中高生)です。

 

受益者が明らかになればそれぞれのニーズについて分析します。

担当者が求めていることが何かを知るのは、難しくありません。依頼を受けた時のやり取りではっきりと伝えられています。

このプログラムは上述の通り、宗像国際環境100人会議の関連事業ですのでそちらの実行委員会が目指すものについても考える必要があります。これについてはホームページなどの情報から抽出します。

最後に、参加者が期待していることです。これについては今回は中高生ですので、とにかく中高生の情報を集めます。例えば、中高生をターゲットにしているようなファッションサイトや、youtuberの動画、twitterやinstagramなどのSNSを活用して、生の中高生が求めている情報は何かというのを探ります。

ちなみに、私は結構凝り性なので、小学生対象の時などは「コロコロコミック」や「小学8年生」などの小学生向けの雑誌や漫画を事前に買って調査をすることもあります。そのぐらい、対象について知ることは講演をする上で重要なことと認識しています。

今回のニーズをまとめたものが次の表です。

 

受益者のニーズを考えた後、こちらが何を話すかを考えて、そのイメージができた場合に依頼を引き受けています。

そして、今回のニーズから考えた内容が以下の通り。

「伝える面白さ」を主テーマにして、文化を超えた(海外とのやり取りを見据えた)コミュニケーションのあり方についてのワークショップ

さらに、中高生のモチベーションにつなげるために、内容はそのままにして表題のみ「モテる技術」にしました。思春期真っ只中、なんだかんだで異性のことが気になって仕方ない年頃です。また「モテる」というのに抵抗感がある参加者もいるかと思い、異性間のみではなく、男女関係なく何故か人を惹きつける人、人に囲まれている人なんかもある意味モテる人だよという説明を補足しました。

仕上げ

ゴールと内容詳細、スタート(表題)が決まる。ここまできたら、あとは完成したようなものです。ゴールからスタートに向かって逆算で内容を作っていきます。スタートから作っていくと必ず歪みがでてくるので内容の詳細を作っていくのはいつもゴールからです。ゴールから作っていってスタートが変わる場合はスタートについては若干修正をします。

どうすれば対話が面白いと実感をともなって気づかせることができるだろうか
「できなかったことが出来た」という経験を仕掛けとして作ろう
どうすれば「できなかったことが出来た」という経験ができるだろうか
まずはやってみて、失敗から解決策を自分で導いたほうがいいのではないか

 

ここではざっくりですが、上のようなプロセスで全体の流れを作ったら実際の講演資料を作っていきます。

どうですか?

きっと、講演やワークショップをしている人によっては全然違う作り方をしている人もいるかと思いますが、私はほとんどの場合このような考え方で内容を決定しています。

この考え方の根底にあるのは、「相手が何を求めているのか」と「自分自身の可能性」への探究心です。

きっと、自分の得意な話をかっちりと作ってしまってそれを売って(話して)依頼を受けたほうが楽なんでしょうけれど(実際、少なくとも私の知る限りでは同じ資料を使って、同じ話をする人の方が多いです)、私は今のところ同じ話は一度もしたことがありません。というか、したくありません。

依頼主によってニーズは違うはずなのに同じ話をするってそもそもおかしいでしょ。

そして、話し手も変化しているはずです。話をした数だけ成長をしているはずです。

 

講演内容の詳細については今回はほとんど触れていませんが、ちょっと珍しい内容が出来上がるまでの舞台裏についてのお話でした。

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