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第9回ユネスコスクール全国大会/ESD研究大会で得たもの

 
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上の名前がコージ、下の名前がコーダイです。 兵庫県生まれ、福岡市在住。 最近、長男が生まれてパパになりました。 暇を見つけては講演、研修の講師をしています。 人の意識を変え、国際協力の必要のない持続可能な社会にすることが目標です。
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「ユネスコスクールのまち 大牟田」で土曜日に開催されました第9回ユネスコスクール全国大会に参加してきました。

西鉄福岡駅でまさかの福井の友人にバッタリ出会い、何をしているのか聞くと目的地は同じとのこと、そして会場に入ったらかつての同窓生まで。北は北海道から南は沖縄まで全国からの参加者で会場が賑わっておりました。

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ESDはご存知ですか?

釈迦に説法かもしれませんが、知らない人のために念のため簡単に意味だけ説明を挟むとEducation for sustainable development(持続可能な開発のための教育)のことです。

要するに、「社会課題を自分のこととして捉えて、解決のために考えて新しい価値観を生み出して行動することができる人材を育てるための教育」です。

自分たちに解決できないことを次の世代に解決させようとはなんというムシのいい話ですね!

なんて、皮肉はさておき、このESDというのは私の研究領域のど真ん中なんです。ちなみに私が出前講座やワークショップ、研修などを請け負う時はこのESD的な視点を必ず入れるようにしています。

ESDはSDGs達成のための教育と言い換えてもいいかもしれません。

それでは、ユネスコスクールは?

ユネスコ憲章に示されている理念を実践するための・・・なんて説明をされても関心のない人は「はぁ?」って感じだと思いますので、ざっくり説明すると日本においては「上に書いたESDの推進拠点」です。

せっかくだから、文科省のウェブサイトにも引っ張ってこられているユネスコ憲章の一部ですがご紹介しますね。

この機関の目的は、国際連合憲章が世界の諸人民に対して人種、性、言葉又は宗教の差別なく確認している正義、法の支配、 人権及び基本的自由に対する普遍的な尊重を助長するために教育、科学及び文化を通じて諸国民の間の協力を促進することによって、平和及び安全に貢献することである。

これを読んでもらうと、ユネスコスクールがなぜESDの推進拠点になるかは理解できるかと思います。つまり、ユネスコの目指す世界はまさに「持続可能な社会」を体現したものだからです。

今回の大会で得たもの

今回の大会で私が得たものは大きく3つあります。

  • 現場の声が聞けた(ESDの取り組みの実態が得られた)こと
  • 次期学習指導要領についての考え方が少し変わったこと
  • 日本の教育の根っこの部分でモヤモヤしているのが自分だけでないことがわかったこと

それぞれについて簡単に説明します。

現場の声

大多数の参加者が言っていたことは次のような意見です。

「何をしていいかわからない」

「仲間もいない」

「手探り状態で孤軍奮闘している」

「なんかわからんけれど担当者として押し付けられた」

おそらく、ユネスコスクールに加盟したとはいえ実態はこんな感じの学校が多いようです。(もちろん、ESDをしっかり意識して先進的な取り組みをしている先生たちもいましたよ)

ただ、悩んでいる人にはぜひ面白さを知ってもらいたいなと思うわけです。

次期学習指導要領

次期学習指導要領を読まれたことはありますか?

実は、ESD的な記述がはっきりとあります。前文にね。

一人一人の児童が,自分のよさや可能性を認識するとともに,あらゆる他者を価値のある存在として尊重し,多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え,豊かな人生を切り拓き,持続可能な社会の創り手となることができるようにすることが求められる。このために必要な教育の在り方を具体化するのが,各学校に おいて教育の内容等を組織的かつ計画的に組み立てた教育課程である。

小学校学習指導要領 前文より

これまで、様々な学校関係者と話をしてきたんですが、ESDについて記載されていますよっていってもなかなか響かなかったんです。前文に書いてあるってことは各教科についても丁寧に読んでいくとそれぞれESD的な内容がしっかりと落とし込まれているんです。でもね、分かりにくいんですよ。ESDって一つの教科ではなく様々な活動に横断的に入り込んでくる考え方のようなものだから。だから、どこの教育委員会もESDみたいなよくわからんやつはほっといて、まずは「英語教育」そして「プログラミング教育」をしなきゃ!みたいなことになっています。

なんなら、塾だってそれを追随してこんな様子です。

ここでは、批判的に書いていますが、しかしある意味では仕方ないのかもしれません。ESDってめちゃくちゃ面白いし、大切なんですが取り入れるのが難しいですしね。従来型の教育と大きく違うから特に「学習塾」では扱えないかもしれません。

ひとつ特徴があって「答えがない」んですよ。

現在の地球規模の課題や、地域課題を題材にしているので答えがないのです。そういう意味では教科書での「勉強」とは対極にある「学習」です。

だから、従来型の教室や学習塾ではなかなか対応ができない、しかも指導要領にも教科としての記載がされていない。

じゃあ、後回しだ!

ってなる理由も、気持ちもわかります。

が!今回の大会で文部科学省からの説明がありました。

前文は一丁目一番地なんだよと。つまり、最優先課題なんです。

逆に、英語やプログラミングのことなんて前文には書いてないですよ。

法的根拠があり、最優先課題である。

多分、私だけじゃないと思います。悶々とやらなあかんのになと思いながらも、謎の同調圧力に屈しかけていたみなさん!

大切なことなので、もう一度言います。

ESDは法的根拠があり、最優先課題である。

このことを胸に、今後はあまり遠慮をせずに(でも空気は読みながら)どんどん推していきましょう。

教育の根っこ

ESD研究をしていると、あるいは実践をしているとちょくちょく襲われるこの症状。

「なんのための教育を今日の学校はしているんだろう」

っていうやつです。

今回ですね、最後のパネルディスカッションの中で、社会科教育のそしてESDの専門家でもある石丸教授がぼそっといった一言が非常に刺さったんですよ。

「こういう仕事をしていると、もしかすると私はおかしいのかもしれないし、もしそうなら指摘してほしいが」と前置きをした上で、「確かな学力とかっていうけれどなんのためなんだろうな」っていう発言。

あ、そう思っている人がやっぱりいるんだなと。

もちろん学力は大事ですよ。大事なんだろうけどね。未来を見据えた時に育てなあかんもんがあるやろ。

その一つが私はESDであると信じているわけで、だから研究をしているわけです。

もしかすると現状、まだまだ課題は山積みで、そんなに理解も進んでいないけれど、SDGsの採択や、世界中のリーダーを巡る議論、そして昨今の相次ぐ災害などを通じて人々の価値観が揺さぶられている今だからこそ教育の目的や学校や教育委員会などの体制のあり方なども含めた根底から見つめ直すことができるのかもしれないと感じた一日でした。

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