小学校でSDGsを教えるための本・サイトを厳選しました[ESD/開発教育]
どうもコージコーダイ(@kodai_chi_koji)です。
最近は、あちこちでSDGsの普及促進のための研修や講演などをさせていただく機会が増えてきました。
その中で、結構な頻度で相談されるのが、
- SDGsについて学びたいけどどうしたらいいの?
- SDGsについて教えるにはどうしたらいいの?
- 参考書籍とかでオススメ教えてもらえませんか?
っていうやつです。
今回はやたらと多いこの質問をスパッと丁寧に解決したいと思います。
※日本語で知りたいという問い合わせが大多数ですので、英語による解説サイト、書籍等は省略しています。
目次
SDGsってなに?
まず、SDGsについてはこのブログの中でもかなり噛み砕いて説明を何度かしているので、そちらをまず読んでもらえばいいかなと思います。
一番簡単なもの
>>>こどもにも分かる!国連とSDGsのことをストーリーで簡潔に説明するよ
それをマンガにしたもの
>>>【マンガ版】たった23コマで分かるSDGsと国連【簡単に理解】
ちょっと詳しい&変わった視点で解説したもの
>>>【5分で解説】SDGsの本質は○○だった!【世界人権宣言70周年】
などなど、他にもいろんな切り口で書いてある記事がありますし、今後も随時更新していきます。
しかし、ふむふむと読むだけでは正直SDGsが絵に描いた餅になってしまいます。
ある程度の理解をしてもらって、関心を持たれたのであればどんどんSDGsについて自発的に学び、発信し、行動しましょう。
どうすればSDGsを学べるの?
兎にも角にも、アジェンダ2030をまず読まれるのがいいと思います。
日本語訳がありますのでそちらを読みましょう。
なんと、無料です。
書籍を買う前に、まずは無料で読める原典とも言えるアジェンダ2030を読みましょう。
アジェンダ2030はコチラから読めます。
次に、国連関係の各種サイトや、外務省のサイト、また各企業のホームページなんかを読むとSDGsについてのダイナミックな動きが見えます。
しかし、ここら辺は正直ちょっと情報が飛び飛びなのでめんどくさいと思います。
【参考】
とりあえず、全体をざっと知りたい、各目標を達成するために頑張ってる団体や組織などの具体例が欲しい、っていう場合は「未来を変える目標ーSDGsアイデアブック」がオススメです。
入り口はマンガ、そして各目標ごとの噛み砕いた説明、そして具体的な取り組みがコンパクトにまとまっています。
ただ、コンパクト過ぎて正直がっつりSDGsを学びたいという人には物足りないと思います。
この本の良さは全体を通して「人ごとじゃないんだよ!自分ごとにしよーぜ!」っていうメッセージが貫かれているところ。
だから、私の場合はこの本は自分用というよりは、SDGsに関心を持った人にもう一歩踏み込ませるための貸出用の本として重宝しています。
どうすればSDGsを教えられる?
SDGs全体をざっと教えたいということであれば、ユニセフのサイトがオススメです。
>>>学校のための持続可能な開発目標ガイド(ユニセフ)
また、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンさんが作成している子供向けのハンドブックがあります。
PDFでダウンロードが可能で、印刷・配布もできるので学校向きですね。
>>>セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンSDGsページ
手前味噌ですが、頭でも紹介させていただいたSDGsをマンガで説明しているページも参考になると思います。
>>>【マンガ版】たった23コマで分かるSDGsと国連【簡単に理解】
「マンガ版:国連とSDGsのことを学校の教室に例えてみた」は用途によりますが、配布用データを無料で共有させていただいておりますので、ご相談ください。
他にも、なかなか便利なところで、子ども向けに作成されたビデオなんかもあります。
私は、この動画は実は子どもだけじゃなくて大人にも見せることがちょいちょいありますよ。
ここら辺まで読んで、SDGsをある程度理解されている、あるいは理解し始めた人はそろそろ気づかれたと思うんですが、SDGsって総則的な部分はサラッと理解できたらもう次に進んだ方がいいと思います。
SDGsの何を教えるのかを明確にしよう!
改めて、ちょっとロゴを見てみましょう。
17個ありますよね。
ちょっと想像してみてくださいね。
「SDGsって知ってますか?持続可能な開発目標のことで、全部で17の目標があります。目標の1番は・・・ゴニョゴニョ・・・大切なことですね!」
多分、これで終わります。
SDGsってこんな目標がありますよーっていうこと、つまり知識としての価値はこれっぽっちもないんです。
SDGsは達成すべき目標なんです。
はい、ここ大切。テスト出ますよー。
SDGsは知識じゃない、目標!
夢でもないです。目標です。
例えば、
「算数のテストで100点とる!」
っていうのは夢じゃないですよね?
そのために、予習復習をしっかりするとか、先生に分からんとこは聞くとか、塾に行くとか、色々します。
そして、達成するんですよ。
目標だからね!
大事なのは、この達成に向けた(予習復習をする、先生に聞く、塾に行くみたいな)具体的な行動なんです。
もう一つだけ、
目標は目標でも行動目標ではなく、成果目標であることもSDGsの大きな特徴です!
前身のMDGsの時には実はここがちがいました。行動目標だったんです。
「極度の貧困をなくすために行動しましょうね!」
ってゆうてたので、行動したらとりあえずはオッケーやったんですよね。
しかし、SDGsは成果目標です。
つまり、達成することを目的としているんです。
だから当然のように行動もセットになるということです。
「成果目標である」と気づけば、書籍選びの方法も自然に分かってくるはずです。
そうです、
どの目標を取り上げ取り組むかを決めないといけないのです。
どのテーマを取り上げるかを選ぶにはまずある程度全体の知識が必要ですので、この既にご紹介したアイデアブックあたりが便利だと思います。
そして読みながら、教科や学校行事などに落とし込んでいきます。
具体的には、
社会科で食糧生産の話をしようかなーと思うと、例えば目標2と絡めて展開することもできます。
そしたら、飢餓という日本の子どもたちにイメージしにくいものだから、ヴィジュアルで伝えた方がいいかなと考えると、ナショジオなどを引っ張ってくるといいかなーと参考書籍が決まってきます。
あるいは、
夏なので平和学習の時などは、目標16を取り上げることができます。
これについては、詳細は別記事がありますので、そちらに譲ります。
>>>平和教育教材のドキュメンタリー映像作りとメディアリテラシーについて。
ただ、この本はほんまにオススメです。
ボリューミーですが来年の夏までにはぜひとも一読してください。
ここ最近の気候変動についての話や、あるいは環境教育などを取り上げるのであれば、目標13、14、15あたりの話をすることもできます。
ここについては、最近私も勉強を始めたのでタイムリーで先月末(2018/8/31!)に一冊買ったばっかりで今読み進めています。
ど真ん中なタイトルで、「SDGsと環境教育」
流石に買いたてホヤホヤなので読了はしておりませんが、「環境教育とは何か(歴史的な話)」から、「今日的な課題」まで網羅されており、私のような環境教育にこれまでそこまで関わってきたわけじゃないけれど今後取り扱うつもりで深く知りたいという人にはオススメできると思います。
ただ、指導案的なものが欲しいのであれば意外と思われるかもしれませんが教科教育の実践書の方が役に立ちます。
こちらの実践ハンドブックの中には、「ゴミ問題を取り上げた授業実践」や「持続可能な開発のための教育実践」などが取り上げられているので私は困ったときには何かと重宝しています。
ただ、ちょっとだけ古いのでSDGs前の時代の実践集であるということは念頭に置いて参考にしてくださいね。
こんな感じで目標を細かく見ていくと無限に続きます。
面白いですよね。
それだけ、SDGsが包括的な目標であり、どんなタイミングでも使えるっていうことです。
さて、木を見るのも大切ですがそろそろ少しだけ森を確認しましょう。
視点を個別的なところからもう少し大きなところに戻しますね。
どれか一冊だけというのであれば、
「SDGsと開発教育」
この一冊を強くオススメします。
開発教育っていうのは、まさにSDGsが扱っているような内容についての学びです。
なんでこの本を進めるかというと、上に紹介したような、各目標を教えるための資料を揃えたとしても、そもそも「開発教育とはなんぞや」ということを理解していなければ結局SDGsの達成に繋がるような学びにならないからです。
だから、開発教育って何?
という根本的な問いにも答えてくれ、なおかつSDGsとの関連性についても丁寧にまとめられているということでこの一冊以上のものはないと思います。
まとめ
SDGsは目標です。
目標であるということは、行動することが必須です。
そのためには参加型の授業をする必要があります。
知識ではなく、知識をどう使って解決をするかを身につけなければSDGsに繋がる授業はできません。
ということで、厳選するとこの一冊かな。
これだけやと、挫折しそうって場合は合わせてコチラも買っておくといいと思います。
ぜひ、具体的なアクションを起こしていきましょう!!
その他、SDGs関係の記事のまとめはコチラ
>>>【まとめ】包括的なSDGs17目標を包括的に徹底解説!