お話し好きは研修講師に向いていないという残酷な話。

どうもコージコーダイ（＠kodai_chi_koji）です。

今日の研修よかったです！ありがとうございました！
私も人に話すのが好きなので研修講師をやってみたいと思うんですが、できると思いますか？

よくある質問ではないですが、時々いただく質問の一つです。

できないことはないけど、適正としては低いと思います。

私はこんな風に回答させていただいています。

この記事では、質問者の研修講師としての適正が低いと考える理由について解説したいと思います。

 

研修講師は「話す人」ではなく、「聞く人」なんです

 

正直、この見出しだけでこの記事は終わらせていいぐらいです。

講師という名前からとにかく「話すのが仕事」だと誤解されがちなんですが、研修講師の仕事は「聞くこと」です。

研修中に聞こえてくる会場からの声を聞くだけでなく、聞こえてこない声にならない声も聞き取ります。

それどころか、研修前には依頼主からニーズを聞き取る必要があります。
その際には表面的な会話に留まらず、潜在的なニーズまで掘り下げて聞き取る必要があります。

さらには、研修後に参加者や依頼主の本音を聞き取り、適切なフィードバックを返さないといけません。

どのタイミングを見ても、実は研修講師「話す人」ではなく「聞く人」なんです。

 

話し好きは話したい・・・

 

だから、話をするのが好きだから講師になりたいという人はちょっと深呼吸が必要です。

話をするのが好きという行為の裏側に何があるのでしょうか？

たとえば、

• 承認欲求
• 自己顕示欲
• 沈黙に対する不安

このあたりを指摘されたら、ビクッとしませんか？

これらを「自覚して」なおかつ「コントロールできる」のであればきっとできないことはないと思います。
でも、それが難しいのであれば研修講師は目指さないほうがいいでしょう。

なぜかというと、研修を実施するにあたって一番大事な２つの要素が潰されてしまうからです。

 

研修で一番大事な２つのこと

 

研修で一番大事にして欲しいことは次の２つです。

• 主役が参加者であること
• 考える余白があること

それぞれについて少し説明します。

主役が参加者であること

当たり前のことなんですけどね。
研修後に何が起こる必要があるのでしょうか？

これは具体的な研修内容を考えると分かりやすいです。

例えばですが、「職場内の人間関係を改善するための研修」を実施するとしましょう。
実施後に「人間関係が改善される」ことが期待される訳です。

参加者に変化が求められる。
つまり、主役は参加者なんです。
どんなに講師が自分の武勇伝を嬉々として話しても、参加者の人間関係は改善されないんです。

だから、承認欲求や自己顕示欲に囚われている人は研修講師に向きません。

考える余白があること

１０秒の沈黙に耐えられますか？
私は、自分が研修を実施するときに意図的にこの１０秒を使うようにしています。

なぜなら、沈黙には人が考える余白を生む効果があると同時に、主体性を促す効果があるからです。
※ここらへんの話はまた別で記事をかきます。

たぶん、即答で１０秒ぐらい余裕やろ！
って思った人は１０秒の長さを知らないと思います。

次、人前に立つ機会があったらぜひ意図的に１０秒の空白を作って話をしてみてください。
その長さに驚くはずです。

５分なら５分、１０分なら１０分。
参加者に考えたり話し合ったりする時間を提供したら、その間はきっちりと口を閉じておかないといけません。

だから、沈黙に耐えられない話し好きは研修講師に向きません。

 

まとめ

 

研修講師は「話す人」ではなく、「聞く人」です。
もちろん、話す技術は必要です。
それは努力すれば習得することができます。

でも、「話し好き」というパーソナリティの部分はなかなか矯正することが難しいですよね。

だから、もし話し好きの方が研修講師を目指そうと思うのであれば、
まずは自分が話し好きであることを自覚することから始めましょう。

そして、話が好きであるということは「デメリット」になりうるという認識を持ちましょう。

それができるのであれば、研修講師として活躍する未来が拓けるかもしれません。

自分の特性に気づき、コントロール方法を覚えるために一番効果的なのは信頼できる仲間からの適切なフィードバックをもらうことです。

その他、各種研修・講演関係の記事をまとめましたのでどうぞ。
＞＞＞【まとめ】講演・研修関係（実践者用/依頼者用）の記事【随時更新】