青年海外協力隊の短期ボランティアをオススメしない4つの理由
JICAボランティアには4種類あるのはご存知でしたか?
目次
4種類のボランティア
まず、大きく青年とシニアで二つに分けられます。
青年というのがいわゆる「青年海外協力隊(日系社会青年ボランティア)」で、シニアというのは「シニア海外ボランティア(日系社会シニアボランティア)」です。
この二つは年齢だけで分けられています。結構若いのですが、40才からがシニアです。
そして、その青年とシニアの両方がそれぞれ二つに分けられます。
こちらもシンプルで、派遣期間で分けられます。
募集のあるほとんど通常派遣で原則2年間の活動期間があります。
それに対して例外的な短期ボランティアというのは派遣期間が1ヶ月〜11ヶ月のものです。
短期ボランティアはオススメしません。
ザクっとぶった切ると、短期ボランティアはオススメしません。
正直、相談を受けることはこれまでめちゃくちゃ多かったです。
「2年間は長すぎて難しいと思うので、短期で行けないかなーと思っているんですがどうでしょう?」
だいたいこんな感じで相談をされます。
しかし、もう一度言います。上のような理由ならなおさらオススメしません。
理由はざっくり4つあります。
短期は難しい
普通の仕事をイメージしてください。例えばですが、「2ヶ月の仕事ですうちで働きません?」って言われて「おっ!楽な仕事だな!」って思いますか?
もちろん、単純作業をするだけの仕事なら楽かもしれません。しかし、ボランティアが現地に派遣される場合には必ず何かしら行き先には課題があり、それを解決するために行きます。(解決できることなんて稀ですが、それでも解決をするために行くのです)
その期日が短いのだから簡単なわけがないですよね。
玄人のための制度である
短期=楽
短期=簡単
短期=出来るかも
すでに書いた理由で、これらの方程式は成り立ちません。
じゃあ、短期ボランティア制度ってなんの為にあるの?って思うかもしれませんね。
ほとんどの場合、玄人のための制度です。
例えば、派遣先の国の事情をよく知っている人や、その道の高い専門性を有する人がパッと行ってパッと帰ってくるための制度です。
行く人が決まっているケースもある
「でも、なんか自分にも行けそうなゆるい募集もあったけど…」
要請をしっかりと見ている人からは、そんな声も聞こえてきそうですがこれについても注意が必要です。
JICAボランティア制度はスキームとしても使われています。
例えば、私が今所属している広島大学大学院国際協力研究科の中にもザンビアプログラムなるものがあって、大学院の修士課程の中にJICAボランティアとしてザンビアに派遣されて国際協力の現場での経験を積んで帰国後その経験を元に研究をするプログラムがあります。
似たような感じで、例えば大学から将来の国際協力の担い手を作る為に夏休みの期間などを利用して1ヶ月などの短期のボランティアとして現地での国際協力活動をさせる場合などがあります。
だから、「自分にも行けそうだな」と思った要請が「自分の要請」ではない可能性があるということも知っておきましょう。
2年間は決して長くない
派遣前は「2年間は長い」と思うかもしれませんが、実際は一瞬です。
最初の1年は異文化に適応するためにもがいていたらすぐに過ぎ去って、慣れてからの2年目は要領を得るため、まるで滑り台を降りるように一瞬で終わります。
ほとんどの帰国隊員が「なかなかちょうどいい」というのが2年間です。私も経験からこの2年間という期間の設定は絶妙だと思っています。
実際は若干物足りないぐらいで帰ってくる人がほとんどです。
まとめ
以上の理由から私はやはり短期よりも通常の原則2年間のボランティア事業を強くオススメします。
ただ、帰国後に研究などを目的に2回目の参加などを検討される場合は、逆に通常派遣よりも短期の方が適しているということも少なくないと思います。
その他、青年海外協力隊に関する情報はコチラにまとめています。