地球市民どんたくポスターコンクール授賞式【祝辞スピーチ原稿全文公開】
本日、実行委員長をさせていただいている、地球市民どんたくの関連イベントであるポスターコンクールの授賞式が執り行われたので、その時のスピーチ原稿を公開します。
中高生が対象で、人数も十数名だったので若干のアイスブレイクを挟んだ後、質問を交えて考えてもらいながらお祝いの言葉を述べさせていただきました。
授賞式等のスピーチなどの文例にご活用ください。
目次
挨拶
こんにちは。地球市民どんたく実行委員会 実行委員長の糀と申します。
本日は、国際協力フェスタ地球市民どんたくポスターコンクールにて各賞の受賞、まことにおめでとうございます。
好きの反対は何だろう?
さて、いきなりですが一つ質問をさせてください。
「好きの反対はなんでしょうか?」
受賞者A「嫌い」
そうですよね、普通に考えたら「嫌い」だと思います。間違っていませんよ。他にありますか?
受賞者B「興味がないこと?」
あー、なるほど。「好きの反対は無関心」という言葉は聞いたことがありますよね。
他にないですか?だいたいそんな感じかな?
しかし、私はもう一段下があると思っています。
「好きの反対は知らないこと」です。
ちょっとエピソードを聞いてください。
2015年3月13日にバヌアツを襲ったサイクロンについて覚えている人は多いのではないでしょうか?。
ちょうど2015年3月14日に仙台で国連防災世界会議が開催されていて、各国のリーダーが支援を申し出たんです。もちろん日本も手をあげて、約1.5億円の無償資金協力をしています。連日報道もされていましたね。
しかし、そのたった2週間違いで2015年3月28日に太平洋で発生した大きな台風をご存知でしょうか?
私のかつて住んでいたミクロネシア連邦に直撃した台風で、島の簡素な家屋は全て吹き飛ばされ、もともとほとんど整っていなかったインフラにも大きなダメージがありました。
おそらくこの中に知っている人はいないかもしれません。
知らなかった人はぜひMAYSAKで検索をして見てください、CGかと疑いたくなるような台風の画像が見れると思います。バヌアツを襲ったサイクロンと同規模の台風です。
でも、ほとんどの日本人が知らない。なぜだと思いますか?
日本ではほとんど報道されなかったからです。じゃあ、それはなぜか?
知らないんです。そもそも、ミクロネシア連邦のことを。
しかし、小さいんですよね。ミクロネシア連邦は小さな島が集まって作られた連邦国家です。
ちなみに、私の住んでいた島は18平方キロメートルの小さな小さな島でした。志賀島3つ分の島です。
でもね、ミクロネシア連邦は実は日本の隣国です。
しかも、かつて日本だった国です。日本語を話す人だっているんですよ。
ほとんどの日本人は知らないんです。悲しいけどね。
もう少し身近な例で考えましょう。今、どこかで怪我をしている人がいるとします。
いや、多分世界には多くの人が今も傷ついているでしょう。
でも、その人が誰か、どこにいるのかが分からない。
何もできませんよね。それどころか、何の心も痛みません。
でも、知っていたらどうでしょう?例えば、あなたの友達の話だったらどうでしょう。
きっと心配をしますよね。
電話をするか、会いに行くのか、とにかく何か行動することができます。
今日の授賞式に際して、一番持ち帰ってもらいたいのはこのメッセージです。
そして、一人でも多くの友達や家族、学校の先生に伝えてください。
みなさんにはそれができます。
グローカルな視点で考えることの大切さ
ところで、みなさんの受賞された地球市民どんたくポスターコンクールですが、どんなテーマだったか覚えていますか?
「つながりあう世界と福岡」です。
世界と私たちが生活する福岡がつながりあい互いに影響し合っていることを表現してください。
というのが、ポスターコンクールのテーマでした。
審査の時に応募いただいた絵を全て見させていただき、テーマについて「よく考えているな」「工夫がされているな」という作品が非常に多く、全てに何かしらの賞を与えたかったのですが、そういうわけにはいきませんので、厳しい目で評価をさせていただきました。
その中で選ばれたみなさんの作品は本当に素晴らしいものでした、胸を張って友達や家族に自慢できますよ。
そして、みなさんが絵を描く時におそらくした作業を今、もう一度思い出してもらいたいのです。
きっと、テーマからいろんなことを考えたと思います。それが、「グローカルにものを考える」ということです。あまり聞きなれない言葉かもしれませんね。
ちなみに「グローバル」の言葉の意味はわかりますか?
ヒトやモノ、カネ、ジョウホウが国境を超えてダイナミックに動くことをグローバルといいます。
これは、みなさんが望もうと望むまいとまさに今、起こっていることです。
そんなグローバルな時代には、もう「ローカル」というものは存在しません。
ローカルにいながらも世界のことを考えなければいけないのです。
福岡にいながら、例えばアフリカのことを考えて行動をする。
あるいは、南米のことを考えて生活する。それが、グローカルです。
ぜひ、みなさんにはグローカルな視点を持ち、学校や地域、そして社会のリーダーになって、日本人のあるいは世界の人々の意識を変えてもらいたい、心からそう願っています。
結び
それでは、お集まりのみなさん、特に今回受賞されたみなさんが、これからますます世界に関心を持ち、将来の夢を実現されることを祈念しまして、簡単ですが、私からのお祝いの挨拶とさせていただきます。
本日は、まことにおめでとうございました。
地球市民どんたくのご紹介
地球市民どんたくは福岡の国際協力・国際交流関係団体が一堂に会するイベントです。
2018年度はSDGsをテーマに11月18日に開催します。
詳しくは地球市民どんたくホームページをご確認ください。