もう、全部SDGsで考えようよ。【ものさしとして使う】
衆議院選挙を前に各種メディアが選挙色に染まりつつありますが、各党の公約をみながらですね、ふと思ったんです。なんでどこの政党もSDGsをものさしとして使わへんのやろって。先進的な企業とか自治体は最近やってるやん、なんなら国が推進してるんちゃうの?ってね。
#選挙公約 に「 #SDGs の達成に向けた取り組みの強化」とかやなくて、「 #SDGsインジケーター に照らし合わせた選挙公約」を書いて欲しい。既にSDGsの本質を理解していないというか、本気で達成しようとしているように見えない。#国際協力 #衆議院選挙2017
— 糀広大 (@kodai_chi_koji) 2017年10月9日
SDGsでいいやん。SDGsで考えようよ。公約を発表する時に、もしSDGsのものさしを使ってたらどんなメリットがあるかを考えてみたんですよ、そしたらますますSDGs使えよって気分になってきました。なんなら、各国のどの選挙でもこのものさしを使って各政党が公約をしたらめっちゃ面白いことなるんちゃうのかな。国の成熟具合が丸裸になりそうですよね。
「SDGsって何?美味しいの?」っていう人は過去の記事を読んでもらってから、続きを読んでいただいた方が伝わりやすいと思います。
ただ、読むのめんどくさいっていう人のために一行で説明をすると、「この世界を持続可能な社会にするために、国連で話し合ってほぼ全世界の国や地域が同意した目標」のことです。もちろん日本も賛同しています。
以下に、SDGsをものさしとして使うことのメリットをまとめます。
目次
メリット1 「各党の重点政策がわかりやすくなる/比較しやすくなる」
例えばですよ、何かと争点になるエネルギーの問題をあげるとして、SDGsを見るとですね、はっきりと目標が書かれているわけですよ。
目標 7. すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
7.1 2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。
7.2 2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。
7.3 2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。
7.a 2030年までに、再生可能エネルギー、エネルギー効率及び先進的かつ環境負荷の低い化石燃料技術などのクリーンエネルギーの研究及び技術へのアクセスを促進するための国際協力を強化し、エネルギー関連インフラとクリーンエネルギー技術への投資を促進する。
7.b 2030 年までに、各々の支援プログラムに沿って開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、内陸開発途上国のすべての人々に現代的で持続可能なエネルギー サービスを供給できるよう、インフラ拡大と技術向上を行う。
原発を推進するのも、原発をゼロにするのもいいんですよ。どちらも最終的なゴールまでの過程としての取り組みのはずでしょ。そしたら、SDGsのものさしを使って、あなたの政党はどういう理屈で持続可能なエネルギー政策をするんですか?っていう話に議論をシフトできると思うんですよ。結果、党の考え方が分かりやすくなるから、納得してから投票できますよね。
何よりも、同じ指標で公約を作れば比較も容易にできるようになります。
あー、この政党は特にこういう分野に関心が高いんだな、とか。逆にここは弱いんだなーっていうのがね。
その上で、じゃあ「私はここを応援しよう」っていうのが決められると思うんです。
また、国際的に議論をして作られている細かい指標を使うことで、民意に訴えかけるようなうまい話だけの眉唾公約を掲げる政党や、それにシンパシーを感じる電波系の人にこれじゃダメだと気づかせるきっかけになるかもしれません。
メリット2 「国際的にも日本のSDGsへの取り組み具合を発信できる」
「必要なのは対話ではない、圧力だ」と、北朝鮮に対する圧力強化を訴えかけたスピーチが印象的で、報道ではほとんどそこにしか焦点が当たりませんでしたが、9月の国連総会で安倍首相はスピーチの冒頭でSDGsについて日本の取り組みを語っています。実際、SDGs達成のために推進本部を設置し、国を挙げて日本は取り組んでいます。
じゃあ、各政党が掲げる公約が無関係かというとそんな訳がありませんよね。なんたって、どんな政党であったとしても達成すべき大目標を定めているのがSDGsですし、実際に公約を読みよったらほとんどの取り組みがSDGsのものさしに当てはめれるんですよ。
そしたら、後付けでSDGsでいうとこれでした!っていうよりも、SDGsのこれを実現するための取り組みがこちらです!っていう方が矢印の向きとしては正しくないでしょうか?
そして、対外的に発信するときにもスマートだと思いませんか?
想像してみてください、学級目標が「元気に毎日学校に登校する!」というのがあって、家に帰ったら手洗いうがいをしようね、睡眠時間はしっかり取ろうねっていう行動計画が立てられるんですよね。
その逆はちゃうでしょ。一年間を振り返ったらうちのクラスは欠席がゼロやったから「元気に毎日学校に登校する!」っていう学級目標は達成できたことにできるね!
おい!お前なにゆうてるんや!ってなりません?
胸を張って、スマートに国際社会にも日本の進捗状況を発信するためにもSDGsをものさしに公約を作るのは非常に有効な手段だと思うのです。
メリット3 「穴のない公約が作れる」
そんな他のものさしを使って公約を作ったら、多様性がなくなるんじゃないの?という声がありそうですが、私は全くその逆だと思います。実際、今現在公開されている公約がSDGsから大きくはみ出すものかというと全くそんなことはありません。SDGsに当てはまるどころか、むしろSDGsのものさしに当てはめれば穴ぼこだらけです。
SDGsは多岐にわたった目標が定められています。ですので、SDGsをものさしにしながら公約を作成すれば少なくとも今よりも穴のない公約が作成できるのが容易に予想できます。
何よりも、公約らしい公約になっていない政党、実現ができなさそうな公約をしている政党が裸になるはずです。そして、少しはまともな公約が立てられるようになると思います。
メリット4 「SDGsの普及に一役買う」
なんだかんだで選挙は多くの人の関心を集める一大イベントです。
官民を挙げて、SDGsの普及のための取り組みが各地で行われていますが、そもそもSDGsを用いて公約を掲げたら一気に一般の人にSDGsを知ってもらうことができません?ってことですよ。
どうせ選挙でかなりの金を使うんやから、SDGsの普及のための追加広報費ゼロですよ。公約からSDGsに照らし合わせて整理する作業はちょっとしんどいと思いますけど。しかし、SDGsのものさしに当てはめて考えるという過程で各党内でのSDGsへの理解促進にもつながるのではないかと思うのです。
まとめ 「やっぱりSDGsでええやん」
与党にしても野党にしてもメリットしかないと思いますけどね。
そして、何よりも投票をする有権者としても、一つの普遍的なものさしを使って評価をするというのは非常にわかりやすいし、参加しやすいです。
とりあえず、まずはSDGsのロゴを右手に持って、各党の公約をチェックしてみてください。面白いですよ。
みなさん選挙には足を運びましょうね。