講師依頼で悩む講師謝金について、相場と考え方を教えます。
どうもコージコーダイ(@kodai_chi_koji)です。
私は現役で講演、研修業をしています。
またこれまでに仕事として、講師に講演や研修依頼をかなりの数してきました。
呼ばれる側、そして呼ぶ側の両方を知る立場として、
「講師謝金を決めるための考え方」についてここでは紹介します。
目次
最初に知っておくべき2つのパターン
これを知らないと話が通じないことになるので、まずはかならずここは押さえてください。
謝金には大きく2パターンがあります。
- 行政や学校などの公的機関が自分たちで決定している謝金規定によるもの。
- 市場の中である程度生まれてきた相場によるもの。
とりあえず、ここでは2パターンあるんだなーってぐらいの理解でいいので、次に進めましょう。
行政や学校などの公的機関の謝金規定について
もちろん微妙には違いますが、私が複数の自治体や組織の規定を調査したところだいたい同じような感じでした。
社長級ならいくら、教授級ならいくらみたいな感じで、相手がどんな肩書かによって規定が定められていることが多いんですが、どんな肩書であれめちゃくちゃ安いです。
社長級、教授級みたいなランクでも1万円前後、そうでなければ、ほとんどの場合が5000円前後です。
規定としては一時間が5000円だったとしても、なぜか一回あたりで計算されることが圧倒的に多いです。
一日拘束して5000円みたいなことも普通にあります。
交通費についても独自の謝金規定が適用されることも多く、手出しが発生すると手取りとしては5000円を下回ることもあります。
規定がある背景
税金による支出であるから、無駄使いをしないためという理由があります。
あとは説明責任ですよね。
自分たちは規定を設けていて、それに従って支出しているのでいいでしょ?
っていう業務を円滑にするための自己都合によるものです。
規定の問題点
そもそも、規定額ってどんな人を想定しているかっていうと地域の人付き合いの中でお願いする時の金額なんですよ。
何でそう言えるかというと、ネットが発達する以前と以降で規定の見直し等がないからです。
金額の中に甘えと遠慮が含まれています。
〇〇さんならこのぐらいで引き受けてもらえるだろうという、甘え。
地域のためにやるんだから、お金をもらうのは申し訳ないっていう、遠慮。
この2つによって、謝金規定は正当化されて、まるでそれが「正しい」かのように信じられています。
しかし、すごく人為的に規定され、自然に最適化されたものじゃないので、市場による相場との大きなギャップが生まれています。
市場とのギャップを無視して、講師の良心に依存した仕事の依頼を続けることは官製ワーキングプアを生み出すきっかけになります。
市場の中で生まれた相場について
ビジネスとして講演業や研修業を請け負う時の相場についてです。
結論から言うと、ちょっとした講演で3〜5万円、研修になると30万円前後です。
これは、ビジネスとして、言い換えればプロとして講演業、研修業をしている人に対する謝金の相場です。
講演や研修はそれ自体は数時間のものとしても、準備やそれまでの投資、業務を維持するコストなども含まれます。
だから、このぐらいはいただかないと、真面目な話、仕事として成立しません。
著名人になると、講演で150万円とかになります。
ただ、これは何のためのお金かというと講演内容がどうかとかじゃなくて、広報費としての意味合いが強いです。
広告を運用したことがある人なら納得していただけると思いますが、広告を打とうと思うと大きなお金が動きます。
だから、たとえば150万円っていう金額で大きな会場が埋められるのであれば講演料としては高くても広報費としては安いと考えることができるんですよね。
改めて、謝金についてどう考えるべきか
甘えと遠慮の世界で依頼するのであれば、行政や公的機関の作った謝金規定を踏襲すればいいと思います。
ただ、どちらの世界も見てきた立場としてはオススメしません。
だから、ちゃんとプロに依頼するときは「相手の」規定額でお支払いをお願いしますね。
相手が営業してきたならまだしも、あなたが仕事を依頼しているのであれば相手の価格表に従うべきです。
定食屋にいって日替わり定食が500円ってなってるのに、
「うちの組織の規定額なんで・・・」って50円だしたら頭おかしいと思われますよね?
それと同じことをするのだけは辞めましょう。
成果を求めるのであればプロに任せたほうがいいです。
理由は単純で余計に高く付くからです。
一番高いのは人件費です。
研修を担当している人が、もし参加者の人件費(時間に対する対価)についての意識があれば考え方が変わると思います。
たとえば時間給1000円程度の職員100人を対象に4時間の研修を実施したとして、
その研修がつまらなく、何の意味もないものだった場合、
100人x4時間x1000円=40万円のマイナスです。
逆に研修がおもしろくて、価値のあるものだった場合のプラスの効果とのギャップを考えると損失の大きさが理解できると思います。
もちろん、高い研修が価値があるかというと、そういう訳ではありません。
なので、成果がだせる研修講師の見分け方についても今後記事をかいていきますのでご期待ください。
最終的に私に仕事をくださいっていう話ではなく、もちろん私もちゃんとした仕事はしていますが、
一番の目的は研修に対する世間の悪いイメージを払拭するためにこのシリーズを書いています。
世の中にはウンコみたいな講師がいっぱいいますので、一緒に淘汰していきましょう。
そして、真っ当な仕事をしている講師にちゃんと相場に基づいたお金を回してあげてください。
ぜひあなたの地域や組織で講師を依頼する時の参考にしてみてくださいね。
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