高校生から謝金をもらったので全額寄付しました!(後編)→クラウドファンディングが面白い!
どうも改めましてコージコーダイ(@kodai_chi_koji)です。
宮崎学園中学・高等学校インターアクト部との学習会の後半について書いていきます。
コチラから読みだしてしまった人は是非前半の記事からどうぞ。
>>>前半、寄付の気持ち良さからくる落とし穴
「高校生から謝金をもらったので全額寄付しました!(前編)→寄付で変わるものって何?」
目次
全てを知り、ニヤニヤする先生
休憩をはさみましょうと告げるや否や、後ろからてくてくと前に出て来た先生が、一人の生徒に耳打ちをします。
ごにょごにょごにょ・・・。それでは、前半の感想とお礼を○○さんお願いします。
“センセイ”
インターアクト部としてこれまで募金活動など、寄付を募ることをして来ましたが、今回のように「寄付」とは何かについて時間を使って考えたことはなく、たくさんの気づきがありました。後半もしっかりと主体的に学習したいと思います。
“生徒”
そして、おもむろに差し出される謝金。
ありがとうございます。先生と昨日の晩に電話で話していて、みんなでお金を集めて謝金を準備してくれたという話を聞きました。高校生のお金と大人のお金の重みはきっと違いますよね。本当に「ありがたく」いただきますね。
“コーダイ”
この時、この後の展開を知っている先生は後ろで死ぬほど悪い顔をしていました。
謝金の使い道
それでは、後半を始めましょう!
改めまして、みなさんお金を準備いただきまして、ありがとうございました。
このお金ですけど、全額寄付しようと思います。
“コーダイ”
なかなかの表情の高校生たち。
それもそのはずですよね、前半のワークで散々「寄付」のネガティブな側面についての話をしてきての流れですからね。
ちなみに寄付先はココにしようかなーと思っています。
“コーダイ”
クラウドファンディングについて、知らなかったようだったのでクラウドファンディングについての話をここで挟みました。
クラウドファンディングって何?
簡単に説明をすると、
商品を開発したい、サービスを展開したい、といった時の必要なお金の一部や全部をクラウド(群衆)からかき集め(ファンディング)て実現させる
って思ってもらったらいいと思います。
つまり、厳密にはクラウドファンディングは募金などとは少し違います。
クラウドファンディングも様々な形態があって、「貸付型」や「株式型」「ファンド型」などについては今回はややこしくなるので言及しませんでした。
実際、今回取り上げたプロジェクトは「寄付型」と「購入型」に分類されるものです。
寄付型・・・基本的に投入したお金がほぼ事業に使われるもの
購入型・・・投入したお金からいくら分かが何かしらのサービスとして帰ってくる
クラウドファンディングの問題点
言葉を選ばずにいうと、ゴミのようなプロジェクトがいっぱいあることです。
そして、意外とよくわからんプロジェクトでも「成立してしまう」ことがあるのが問題です。
だから、実際「クラウドファンディング」についてかなり厳しい意見が世の中にたくさんあります。
どう考えても、お金の使い道についておかしいやろ(使途的にどう考えても自分が捻出すべきものについても支援金をあてていたり)って思うようなプロジェクトや、少し考えたら支援対象に迷惑をかけそうな(例えば途上国にいらんもんを送りつけるような)プロジェクトだったとしても、「ストーリー」が面白ければ意外と支持されてしまいます。
これについては、前半で話した善意の気持ちよさが大きく関係しています。
クラウドファンディングの可能性
ただ、大きな可能性を秘めていると私は思っています。
というのも、日本に根付いてしまっているいわゆる「釣り銭型寄付文化」を払拭できる可能性があるからです。
釣り銭型寄付って言うのは、例えばコンビニでお釣りを入れるやつです。
あるいは、伝統的に小学校とかで行われる空き缶に小銭入れて持って行くやつとかです。
なんのための寄付?って聞かれても「なんとなく」「お付き合い」としか答えられないようなものです。
つまり、寄付をしたその先の出来事にあまり関心がないんです。
寄付の価値が見いだせていないけれど、なんとなく寄付をする。
だから、多くの場合は寄付の単価が小さくなってしまう(小銭で終わってしまう)んですよ。
厳密には、違いますが前半で挙げたスッキリする寄付もこの釣り銭型に近い要素があると私は考えています。
そんなところを踏まえて、寄付について次のようなことを話しました。
前半の感想でも話してくれたけど、インターアクト部って寄付を呼びかけることがあるよね?その時、寄付の目的をきちんと伝えていたかな?
高校生が街頭に立っていたら結構な金額集まるよね?
その時、何を伝えていたかな?そもそも、なんのためにお金をみんなは寄付を集めていたんだろう。
いいかな?寄付の目的はお金を集めることじゃないんだよ。その先にある活動に関心を持ってもらうためにするんだよ。
つまり、社会を変えようとする市民を増やすのが寄付の目的で、その市民から集めたお金で市民が社会を変えて行くんだよ!
“コーダイ”
フツーの生活と、ボランティア(非営利セクター)の価値と寄付の関係
最後に全体のまとめとして、見出しのようなタイトルで次のようなことを一緒に考えました。
大きい買い物を最近した人いる?
“コーダイ”
定期を買いました。
“生徒”
なんで、切符じゃなくて定期にしたの?
“コーダイ”
切符を買うよりも、その方が安いからです。
“生徒”
そーだよね、フツーだよね。「安い方を買う」それが当たり前なんですよ。スーパーの卵だって一緒だよね、1円でも安い方があったらできたらそっちを買いたい。買うときは安い方、貰うときは高い方がいいよね。だから、仕事だっていい給料がもらえるのがなんだかんだで人気やもん。
つまり、フツーに生活をしていると判断基準は原則お金なんです。
でも、お金を価値観として動かない人がいる。それがボランティア。組織がある。それが、NGOやNPO。
彼らは社会課題を解決するための情熱を持って自主的にお金のためじゃなく動いている。
あらゆる人や組織が「お金」という強力な価値観で動いているこの世の中に置いて、それと逆行できる存在には非常に可能性があるよね。
すごいやん!最強やん!
って思うかもしれんけど、弱点もあるのよ。お金がない。そして、自発性で動いているから全てに対して万能ではない。(つまり、支援する価値のない団体や人もいる)
だから、市民がそれらの活動に関心を持って、自分が共感できるものに対して社会のために投資するのが寄付なんよ。
今後、きみたちが募金活動をするときに、もう一度今回考えたことを踏まえて話し合ってほしい。
お金を集めるのが目的じゃない。お金を集めることを通じて、社会課題を解決しようとする仲間をどうやったら増やせるかを考えてほしい!
“コーダイ”
ウガンダの夢に乗っかる理由
この写真の右に写っているのが今回の挑戦をしている田中勝久さんです。
「ウガンダの人が日本に来て野球の試合をする」
正直、そのこと自体はそんなに優先順位は高くないと思います。
集めようとしている金額は600万円、それ以外の自主財源も投入して全体で必要な金額は1000万以上。
もっと違うことできるんとちゃうの?って思わんこともないです。
なんなら見方によってはアホちゃうの?って思うぐらいですよ。
ただね、やり取りをしていたらこんなこと言うんですよ。
まさに、ボランティアスピリットを感じませんか?
そして、そのウガンダで田中勝久さんがもらってる「喜び」ってきっとですね「今の日本に根本的に欠けているもの」なんじゃないかなーと思うんです。
だから、それを見せてもらいたくて、高校生が集めたお金。つまり、私がもらう予定だった謝金の1万円。
それを田中勝久さんに託すことにしました。
リターンとしてDVDが届くそうなのでもう一度宮崎まで遠征してそのDVDで学習会ができたらいいねと先生と話をしています。
アホみたいかもしれんし、実現しないかもしれんし、何よりそれが何になるのかは分からんけど、背中を押したいなーって思ったらぜひ、この下のボタンからポチッと支援をしてあげてみてください。
田中勝久さんはみんなの思いを背負ったら背負わせた分だけ奮起して頑張ってくれる人ですよ。
残念ながら、このクラウドファンディングは成立しませんでしたが、クラウドファンディングの場合、不成立=失敗ではないと私は考えています。
クラウドファンディングを立ち上げて、支援者を募る過程での学び、そして築かれる人脈、またお金を預かるということの責任など様々な学びがあります。
ぜひ、クラウドファンディングサイトに飛んで支援したいプロジェクトを探してみましょう!
「今回の記事は、寄付ってなんなん?どうせ偽善やろ?意味が分からんわ!」
って人が寄付の意味に気づいて社会変革の担い手として目覚めることを目的としています。
記事を読んで「なるほどなー、今まで誤解してたかも」ってなった人はもちろん、「知ってたけど、こう言う考え方を広めたいなー」って人はぜひ何らかの形で拡散していただけると嬉しいです。よりよい世界を市民の手で作りましょう!
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