【生涯学習】大人と子どもの学びの違い【アンドラゴジー】
最近、成人教育理論の論文を中心に漁っています。
論文を読むと、なんとなく経験則的に理解していたことを学術的に再確認できます。
成人教育(アンドラゴジー)についてご存知ですか?
メモがわりに大人と子どもの学びの違いについてまとめておきます。
成人と子どもは違う理由で学習する
当たり前なんですけど、改めて言われるとそうですよね。
子どもと指導者の関係性は、
それに対して、成人の場合は、
私が、研修を請け負う時になんらかの形で、参加型にしているのはここに理由があります。
学習者の主体的な学びがなければ大人のための学習ではないからです。
また、学習内容の大枠はもちろん依頼の時点で決まっていますが、細かい部分は会場で調整しながら、参加者が学びたいことを学ぶための場にしています。
だから正直、自分が学習者として参加した研修が一方的な講義のようなスタイルだった場合は、いつも首を傾げてしまいます。そんなことは、よっぽどの著名人である、輝かしい実績があるなどの(その人の名前に価値がある)場合を除いてありえません。参加者のレベルが低すぎるか、講師のレベルが低すぎる証拠です。
他にも以下のような特徴があります
子どもは依存的な学習(指導者に決められた学び)を、成人は自己主導的な学習(自分で学びたいことを学ぶ)をします。
子どもは教材(リソース)を使った学習プロセスの中で新たな「経験」を作り、成人は「経験」をリソース(教材)にして学習します。
その学習が行えるかどうかについても、子どもは発達段階に左右されるが、大人は社会生活をする中での必要があるか、あるいは学習をするだけの経験を積んでいるかなどに依拠します。
また、目的も子どもが将来のために学習をするのに対して、大人は今困っていることを解決するために学習します。
最後にモチベーションについて、子どもは賞罰のような外的な動機付けがされることが多いが、大人はより内的な動機付けで学習をします。
大人と子どもの学習は全然違う
まずは、この認識をすることが第一歩だと思うんです。
しかし、みんながみんなそうなっているかというと実際は違いますよね。
経験則的に研修の講師などをしていたら子どもの学習理論から脱却できていない「大人」が多くいることに気づきます。
研修って大人の学習の場のはずですよね。
大人の学習の場であれば、「学ぶ/教える」の関係性が基本です。
だから、本当はファシリテーターの活躍の場なんです。
学びたい人の学習効果を最大化するファシリテーターがね。
教材はそれぞれの経験の中に眠っているんです。だから、それを呼び覚まして学習をさせます。
しかし、多くの研修の場面がそうならない。
ファシリテーター殺しのオシエテーターが大量発生しているか。
学びたい人たちの邪魔をするシキリテーターが発生しています。
その場で求められているのは子どもの学習なのか、大人の学習なのか?
今一度、問い直してみてください。
つまらない研修が大量発生する原因とそうしないための対策について大人と子どもの学習の違いなどを例に解説した記事も合わせてどうぞ。
>>>つまらない研修を実施しないために研修担当者ができること。