【災害時の多文化共生】熊本地震で在住外国人に実際に起きたことから自分にできることを考えよう!

 
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上の名前がコージ、下の名前がコーダイです。 兵庫県生まれ、福岡市在住。2児の父。 人の意識を変え、国際協力の必要のない持続可能な社会にすることが目標です。
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どうもコージコーダイ(kodai_chi_koji)です。

今日はめっちゃ大事な話をします。

昨日も揺れましたね。
日本で生活をしている限りは、地震から逃れる方法はなさそうです。

みなさんは、震災についての備えはできているでしょうか?

いざ大震災が発生したら完全に被害をなくすことはできないという阪神淡路大震災の教訓から、「減災」の考え方が最近では主流になって来たように思います。
私の専門は国際協力や多文化共生ですので、今日は一般的な視点と少し変えて大地震が発生した時の「外国人のための」減災について書きます。

この記事を書くにあたって年度末に熊本市国際交流振興事業団事務局長の八木さんからお話を聞かせていただいたので、そちらを大いに参考にしています。

※熊本市国際交流振興事業団がある熊本市国際交流会館は、熊本大震災の際に在住、訪日外国人の避難所として解放、運営されていました。

目次

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大地震の時、何が起きるのか

 

まずは、私の体験から書きたいと思います。
今となれば遥か昔のように感じますが、阪神淡路大震災の時に私は兵庫県に住んでいました。震源地からは少し離れているものの大きな揺れを感じたその時、何が起きたか。

それは、思考の停止でした。もうね、全くわからないんです。

地震があったら机の下に!まずは火の元を!
とかあるでしょ、そういうの。全く頭に浮かびません。

イメージとしては、予告なく頭にボールがぶつかったような感じです。

起きた出来事に対して脳が全く対処できないんですよ。

眠っていた布団の横には大きなタンスがあった。
でも、結果的に倒れてこなかったから助かった。

そのタンスの上にはアイロンの尖った部分がこちらを向いて置いてあった。
でも、結果的に落ちてこなかったから無事だった。

そうなんです、たまたまなんですよね。別に何か対処したわけではなく、偶然、運よく問題がなかったんです。

 

起きた直後は多分、誰の身の上にも同じような感じだと思います。

その後、どうなるのかについて考えていきましょう。

 

震災後、何が起きるのか

 

阪神大震災の時にも、東日本大震災の時にも、熊本大震災の時にも、有事だからこそ人のありがたさを感じた。みたいな美談はゴロゴロ転がっていますよね。

有事には人の本性が出ます。だから、素の優しさなどに触れた時に上のようなポジティブな話が出てくるのだろうと思います。

しかし、本性が出るからこそ、日頃の私たちの課題が浮き彫りになるというのもまた一つの側面です。

さて、質問です。
日頃、外国人の方とコミュニケーションは取れていますか?

 

「もちろん!」という方にはさらに質問です。
あなた以外の、多くの日本人の場合はどうでしょうか?道を尋ねる外国人を無視する人を見たことがありませんか?飲食店の対応は?公共施設での案内は外国人に親切ですか?

 

「ぐぬぬ…」ってなりませんか?

 

私も正直、この国が外国人にとってあらゆる場面で開かれていると全く感じていません。

そして、平時であればそれで問題がないのかもしれませんが、有事の時にはそれがますます課題として浮き彫りになるのです。

 

外国人被災者の声

ここに取り上げるのは、実際に八木さんから紹介いただいた外国人被災者の声です。

「知人がおらず、孤独感で押しつぶされた」

「子どもの学校に避難した、子どもの友人が話しかけて来た時、心から安堵できた

この世の終わりを感じた」

「地震後に近所の人たちが大丈夫?元気?と挨拶するようになった。嬉しい」

「避難所に行って、来日して初めて言葉の壁を感じた。不安でどうしようもなかった」

 

外国人に「なかった」4つのこと(外国人被災者の課題)

上に挙げたようなたくさんの外国人被災者の声を拾い上げていくと、次の4つの大きな課題が見えてきたそうです。

 

地震を知らなかった

 

日本人は、実は地震についてかなり鈍感だと言われています。
というのも、私たちが思っている以上に生活が地震と隣り合わせにあるからです。多くの建造物は地震を想定して設計されているし、生活の中にも多くの工夫があります。

でも、国によったら地震なんて全くないんです。もちろん防災訓練なんてしたこともありません
だから、ただただ不安と恐怖を抱えるしかなかったそうです。

 

日本語の情報が分からなかった

 

震災が発生すると、あらゆるメディアが震災の情報に切り替わりますよね?

しかし、日本において日本語以外で情報を得ることは容易ではありません。SNS時代だからメディアからの情報を有志が翻訳して拡散してといった草の根レベルの対策も多くされましたが、逆にそれが新しい不安(熊本の場合は津波が来るなどの情報が出回りました)を産む場合もあります。

避難所に行っても、「給水」「物資配給」などの言葉が分からず、必要なものが手に入らなかったり、案内放送が早口で聞き取れなかったりしたそうです。

 

避難所を知らなかった

 

この視点はほとんどの日本人が持っていないと思います。
前述の内容ですが、日本は震災を想定した社会です。防災訓練も何度もしていますし、少なくとも震災があったら例えば「学校に行こう」という考えがすぐに思い浮かびますよね。

でも、外国人からすると「学校や公民館が避難所になる」という日本人にとっては一般的な知識すら持たない人がほとんどです。
だから、多くの外国人が教会などを頼って訪れたり、車中泊や公園で夜を明かしたりすることになりました。

また、避難所に行けば水や食べ物が配られるということもそもそも知らなかったので、非常に苦労をしたようです。

 

近くの人を知らなかった

 

これは本当に日本ならではの課題と思います。
そもそも言葉が通じないことを理由に日本人から話しかけられることがなかった(外国人側からも話しかけなかった)ので、近所の人とのつながりが希薄だったそうです。

また、日頃の情報を外国人コミュニティ(SNSを含む)から得ていたため、(地域コミュニティと繋がっておらず)有事の際に情報が流れてこなかったということがあったそうです。

 

「なかった」を解消するたった一つのもの

八木さんは、熊本の震災を振り返り、外国人被災者の減災のために必要な一つの大切なキーワードを教えてくれました。

それは、つながりです。

実際、震災直後に多くの外国人が熊本市国際交流会館に集まってきたそうですが、それは熊本市国際交流会館がこれまでに多くの交流活動を行ってきていたからで、まさに外国人と日本(人)の「つながり」を作る交流拠点だったからだと考えられます。

上の「なかった」を読み返してみてください。

「つながり」があれば全て解消するものだということが容易に想像できますよね?

 

大事なのは平時の取り組み(3つのつながり)

 

はいはい、外国人が困るのね!了解!有事の時になればやるよ!大丈夫大丈夫!
って、そうでしょうか?

八木さんは震災での経験を踏まえ非常に力を入れていることがあると言います。

それが、「平時のつながり構築」です。
地震は誰にも正確に予想できない。だから、普段からつながりをしっかりと作っておくことが大切だと言います。

そして、つながりには次の3つの種類があると考え、特に重点的に取り組んでいるそうです。

 

地域内の「つながり」

 

これはわかりやすいですよね。一般的な国際交流活動によって養われるものです。

自治会活動などに外国人が参加したり、逆に外国人コミュニティのイベントに日本人が参加したりといったことで地域内のつながりを強化することができます。

また、地域の日本語教室活動などもこの「つながり」を育てる活動と言えます。

 

地域外の「つながり」

 

これは、もう少し大きなつながりです。

例えば、他地域の国際交流教会や、全国のNGO・NPOなど、また全国の外国人コミュニティなどとのつながりです。

実際、熊本の震災の時に「翻訳協力」「物資提供」「資金協力」「励ましの声」など様々なサポートがあって乗り切れたと言います。甚大な被害の場合、地域内だけでは対応できないからこそ平時にどれだけ地域外のアクターと繋がっているかは大切です。

 

つながりのコーディネーション

 

これは、上述したような「つながり」をコーディネートする力のことです。

実際に有事の時には多くの支援者がなんとかしなきゃと立ち上がってくれますが、その際にコーディネートをすることが非常に重要です。

ニーズを汲み取って、必要な采配をしていかなければ、支援者の満足感のためだけの、ただのありがた迷惑になってしまいます。これについては、有事の時以外のボランティアコーディネートなどについても言えることですね。

 

そもそも「違う」ことを認識しなければいけない

 

日本は非常に特殊な特色を持っています。

生活者のほとんどが日本人。日本語での会話が当たり前。阿吽の呼吸。空気を読む。なんとなく理解し合う。

一方、外国では多民族が当たり前。様々な言語の情報がもともとある。意見は違って当たり前。主張しなければ理解されない。

そうです。「違う」んですよね。

だから、「違い」を認識して外国人と付き合うから初めてコミュニケーションが始まるし、そこに「つながり」が生まれるんです。

 

今すぐあなたにできること

 

さて、近所に外国人は住んでいますか?
多分、いますよ。意識すれば本当に結構います。

もし、この記事を読んで急に近所に住む外国人に気づくようになったのなら、これまで無自覚に無視をしていたかもしれませんね。
でも、これまでのことは忘れましょう。

まずは、「つながり」作りを始めませんか?

やることは簡単です。話しかけてみましょう。

えっ?英語が話せない??
大丈夫ですよ、とりあえずは日本語で。「こんにちは」でもいいと思いますよ。

だって、その外国人が話す言語はそもそも「英語」じゃないかもしれないじゃないですか。
無視をされても、毎日声かけしてみてください。きっと、日本人から声かけをされることがあまりに少ないので急に声をかけられて戸惑っているのかもしれませんよ。

「こんにちは」

きっと、挨拶ができる関係ができていたら最低限の「つながり」が生まれているはずです。

 

この記事を読んだ読者さんからもらったコメントがきっかけで「外国人に対する構造的暴力」についての記事が書けました。
ちょっと難しい内容ですが分かりやすいようにめちゃくちゃ頑張って書いた記事なので合わせて是非読んでみてください。

>>>震災時に感じた、日本における在住・訪日外国人に対する構造的暴力について、例を挙げて具体的に解決策まで考えました

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